アトピー(3)
ステロイド剤、坑アレルギー剤、漢方薬、消毒剤などの薬物を使った対症療法を一切行わない。衣食住の生活環境から極力化学物質を排除し、白宅温泉湯治療法で自然治癒力を高めれば、アトピーの大半は改善するという。
アトピーの真因は化学物質
昔からあるダニや食べ物や花粉が、なぜ今になってアレルギーの原因物質といわれるようになったのか。それは近年、急速に私たちの生活内に増えてきた農薬、食品添加物、殺虫剤、抗菌剤などの化学物質と無縁ではなく、このことは医学的にも研究されている。
すなわちアトピー性皮膚炎(以下アトピー)の真の原因物質は化学物質であり、ダニや食べ物などは単なる誘因物質と考えられる。
抗体産生のメカニズムを簡単に説明すると、細菌やウイルスが体内に侵入した場合、リンパ球の一種であるヘルパーT細胞のI型が刺激されて抗体が作られる。一方、ダニなどが体内に侵入した場合は、へルパーT細胞のII型が刺激されてIgE抗体が作られる。このT細胞のI型とII型は、互いに抑制し合う関係にある。
昔は子供もよく泥んこ遊びをしていたため、I型の活性が高くダニなどの抗体産生が抑えられていた、しかし最近は、ウイルスや細菌を排除しすぎたためにII型が強くなり、ダニなどにも過敏に反応するようになったのである。
炎症やかゆみなどの症状が出るのは、いい意味で皮膚に細菌感染などを起こし、I型の活性を強めようとしているからだ。これが自然治癒力である。
症状そのものが自然治癒力の現れ
アトピーの原因を追求し、自然治癒力で根本から治すことを勧めるのが、ホスメック・クリニックの三好基晴院長だ。
「自然治癒力は病気になって発揮されるだけでなく、症状そのものが自然治癒力の現れなのです。アトピーの症状は、好転反応だと理解すればいいでしょう。
対症療法は一時抑えであり、自然治癒力を低化させるというのが私の考えです。ですから根本治癒を目指すために、ステロイド軟膏はもちろん、原則として薬は使いません。
どんな薬剤でも、必ず副作用があるからです。物事には原因と結果がある。病気の原因がわかれば、その原因を治せばいい。結局単純な話なんですよ」
新潟大学医学部医動物学の安保徹教授が、ステロイドの問題点を指摘しているので、その一部を紹介しておこう。
「ステロイドは組織に停滞した時、自然酸化を受け酸化コレステロールに変性し、局所から全身へと、流れていき、炎症の原因物質となる。
確かに『この治療で治る症例がある』ということ自体に間違いはないが、これは自然治癒力が間違った治療を上まわったと考えるべきだと思う。実際、ステロイドを使用しない人達は体質改善でほとんど治るからである。
もし、患者がすでにステロイド依存症に陥っていたとしても、ステロイド離脱ができるし、その後の予後の良さはステロイドを塗り続けるのとは比較にならない。」(医学専門誌『治療』2000年9月号より要約)
生活環境を整えて自然治癒力を高める
まず衣食住全ての生活環境から、なるべく化学物質を排除することが大切だと三好院長はいう。たとえば以下のようなことが挙げられる。
・ダニ対策に有害化学物質を使わない。
・除去食療法を行うより、無農薬・無添加の安全性の高い自然食品を選び、和食中心の食事を摂る。
・携帯電話はイヤホンマイクを使うなど、電磁波に対する工夫と対策を行う。
・温泉湯治、無理のない運動で汗をかき、体内に入った化学物質を排泄する。
・尿意を感じなくとも、約2時間おきに排尿して溜まった老廃物を出す。ただ、そのために水分を取ることは避ける
・痒い時はタオルを当てて掻く、叩くなどの工夫をする。かゆみは治っていく過程と理解できれば、精神的にも楽になる。
「よく親御さんが『うちの子は体が弱くて、体力がない、免疫力がない、抵抗力がない、だからアトピーになった』といいますが、ひれは違う。アレルギーは体の一つの防衛反応で、逆にアレルギーを持っている人の方がガンになりにくいというデータもあります」
また同クリニックは、自宅温泉湯治療法を提唱する(株)日本オムバスと協力した形での治療も行っている。オムバス療法とは自宅温泉湯治、生活環境の改善、カウンセリングなどで自然治癒力を高める治療法のことだ。実際には、家庭用循環器「二四時間風呂」を使用し、宅配された温泉を入れて入浴するというもの。
アトピー治療において、入浴は血行をよくして新陳代謝を高めるなどの改善をもたらす。オムバス療法の温泉は有害化学物質を含まない単純泉のため、皮膚に悪影響を与えることなく身体の機能を高めることができるという。
「近くに単純泉の温泉があれば、そこから運んでも構いません。また浄水器を通した水道水でもいいでしょう。ただ独自に行う場合はカウンセリングがつかないぶん、時間を要する可能性があります。アトピーは複合性皮膚炎。だから治療も複合的にやらないといけない。食事だけ、温泉だけでは治らないことは覚えておいてください」
こうして生活環境を変えると、まず大きなリバウンドが出て治まる。しばらくすると初回より小さいリバウンドがくる。これの繰り返しで治っていくが、その後の再発は非常に少なく、患者のほぼ7割は改善しているという。ようは自分の自然治癒力を信じ、いかにアトピー改善に取り紐むことができるか、そこがポイントとなりそうだ。
|