糖尿病―ハリ治療
「ハリ治療を希望される方の中には検診で尿糖を指摘されていたり・精密検査で糖尿病と言われたが自覚症状がなく、食事療法も面倒なので放っているといるという人を多く見かけます」
と語るのは藤井徳治鍼灸師(一掌堂治療院の院長)。
糖尿病の初期は自覚症状がほとんどないため、何の治療もせずに放置してしまう人が多い。そのため病状がどんどん悪化してしまうケースがほとんどである。
しかし発症より半年以内であれば、ハリ治療によって血糖値を低下させることは期待できる。
ただし、一度発症した糖尿病変である膵臓の中のインスリンを分泌する細胞は、完全に元通りにはならない。ハリによって血糖値が下がっても糖尿病の完治ではないことを理解したい。
ハリ治療で気になるのは、その痛みである。先端の鋭いハリを身体に当てることになるので、イメージ的にも恐怖を抱く人は少なくないはず。ハリによる糖尿病の治療とはどんなものなのか?
同鍼灸師に聞いてみると、
「痛みに対しては、患者さんの体質やハリ治療の経験に合わせ、8種類のハリを使い分けているので心配はいりません。
施術方法も初めての人、数回経験のある人、ハリ治療に慣れた人など、状況に合わせているので誰でも痛みを感じることなく安心して治療を受けられます。
さらに治療を受ける人の快適性も重視しホットパックで体を温めながら指圧かマッサージを行い、その後にハリをします。疲れやストレスをとりたい、同時に糖尿病も治したいという人に効果を上げています」
との答え。どうやらリラックスして、ハリ治療を受けることができそうである。
具体的に糖尿病の人に用いるツボは
「全身調整用」「他の症状用」「糖尿病特効穴(とっこうけつ)」で、
特効穴は、
中かん梁門(ちゅうかんりょうもん)、
左関門(ひだりかんもん)、
左腹哀(ひだりふくわり)、
肝ゆ(かんわ)、
脾ゆ(ひわ)、
胃ゆ(いゆ)、
三陰交、曲池(きょくち)、
耳の膵点(すいてん)
耳の渇点(かってん)、
耳の飢点(きてん)
となる。
糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法。その上で右記の特効穴を刺激するハリ治療を行うことが糖代謝の異常をコントロールする上で役立つのだという。
ただし心不全、尿毒症、ケトアチドーシス、昏睡などを起こす症例はハリ治療の対象外。
だが病院と鍼灸院との同時治療は可能かつ有効なので、合併症が危倶される場合は相談してみるとよいだろう。
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