男の更年期(3)
男性更年期の経緯
では最近話題になっている男性更年期とは、どんなものだろうか。関連の著書が多く、漢方医として女性の更年期治療の経験を生かして男性更年期外来に力を入れている横山博美医師にうかがった。
「男性更年期については、20世紀の前半から着目している医師はいたんです。1937年頃、すでにアメリカで男性更年期の症状について発表した先生がおられて。日本の男性更年期研究で非常に有名な教授は、もっと前からあるとも言っています。
最近のように日本でも、男性更年期が認知されるようになったのは、4年くらい前でしょうか。日本更年期学会が男性更年期についてのシンポジウムを行ったのが97年だったと思います。
その前から、ごくわずかの先生方が研究を進めてはいましたが、初めて学会が大々的に取り上げたのが、その頃ですね。
これについて、日本更年期学会では、男性更年期の定義はしていない。「エイジングとしての視点から考えたもので、生理的に女性のような更年期症状があるとは考えられない(麻生教授談)というのが、今のところの見解だ。
横山医師が男性更年期に着目したきっかけは、自らのクリニックで行っていた特種ドッグだったという。
「90年代に導入した脳ドッグや前立腺ドッグに、なぜか40代の男性だけが多く訪れるんですね。どうもストレスが強い人が、クモ膜下出血や男性機能の症状を気にしているんです。それが、あまりにも多いので、ひとつの症候群として見たほうがよいと思ったのがきっかけです。
いろいろと調べてみると、スウェーデンで男性外来を積極的にやっている医師がいて、年間1000〜2000人の単位
で患者さんをみていることを知りました。そこで実際に現場を見て、話を聞くうちに私なりに納得して、やっぱりホルモンが関係していると確信しました。
更年期とドクターショッピング
「ひとつ言えることは、男性更年期というからには、ホルモンが下がっている確定を得ることがポイントです。そして、ホルモン治療でよくなるという事実がないと更年期障害とはいえません。
また、女性の更年期は閉経が一番のキーワードです。では男性の、それに該当の何かといったとき、男性機能や排尿障害があげられます。
前立腺と子宮とは全く同じ由来のものですから。卵巣が睾丸、子宮が前立腺であるという点で結び付けて、男の閉経が前立腺にあるという考え方です。
解剖学的に同じ場所に症状が出ないとおかしいので、そういうことでスッキリしましたね。これで、男性更年期も女性と同様にホルモンと漢方の治療で改善できるだろうと。
あと、更年期障害の治療で大切なのが、カウンセリングです。まず、体の中で何起こっているのかを理解してもらうのが一番のポイント。
見たこともないオバケは怖いのと同じで、原因不明の体調不良は精神的に参ってしまう。ホルモンが低下しているという診断を受けて、ホッとしている患者さんは多いですよ。
肩が凝る、頭が重い、目がショボショボする、動悸がする、手足がしびれるなど、更年期障害はいろいろな症状が出るため、ドクターショッピングに陥ってしまうのも更年期の特徴といえます。
いろいろな先生のところに相談するけど、救急車で運ばれて大学病院で1週間検査をしても異状無し。過労とかストレスだとかいう診断で、安定剤が出されたり。
そういう意味で、日々微妙に変化する多種多様な症状をトータルで見て、客観的に判断できないと更年期障害の診察はできないんです。
でも、更年期障害になりやすい人は特徴があって、男女とも生真面
目で細かい事が気になる人、体を動かさない運動不足の人というのが多い。
食べて動いて寝るという動物の基本的な部分に逆らわない生活パターンができている人は、更年期障害は出にくいです。
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