カルピス「アミールS」
血圧上昇のメカニズム
人間の血管は、年とともに衰える。高齢者に高血圧患者が多いのもそのためだ。さらに近年では食生活の変化から、若年層の間にも高血圧者が増えているという。
特に大きな要因となっているのが、食塩摂取の過多。そうはいっても、外食の機会が増えた現代人の生活スタイルでは、食塩の摂取を減らすことはなかなか難しい。
そのうえ、ストレスも高血圧を引き起こす一因というから、現代社会はまさに高血圧の温床といえそうだ。
この現代病ともいえる高血圧に効果
を発揮するとして、最近、注目を集めているのが「酸乳」。
ある実験で、生まれつき血圧の高いラットに、幼若期から酸乳を飲ませたところ、血圧が著しく安定したという。一体、酸乳の何が血圧降下に作用するのだろうか。私たちは、まず血圧上昇のしくみを知る必要がある。
人間の血圧を上昇させるのは、レニンと呼ばれる酵素。レニンは血液中にアンジオテンシンTと呼ばれる物質を作りだす。このアンジオテンシンT自体には何の働きもないのだが、ここにアンジオテンシン変換酵素(ACE)が作用すると、アンジオテンシンUという物質に生まれ変わる。
このアンジオテンシンUには強力に血管を縮める作用があり、この物質が働くことで血圧が上昇するのである。
ラクトトリペプチドが
血圧上昇を阻止
では、酸乳はこのメカニズムのどこに関与しているのか? 研究を重ねた結果
、酸乳は発酵する過程で、ACEの働きを阻止する物質「ラクトトリペプチド」を生み出すことが明らかとなった。
ACEの働きを抑制すれば、アンジオテンシンTがUに変換されることもないから、血管は収縮されず元のまま。そのうえ、血管を広げるブラジキニンという物質も分解されずに、そのままの状態を維持するため、さらに血圧を下げることが可能になるのだ。
実際、高血圧患者30人を無作為にAとBの2つのグループに分け、8週間にわたってAグループには95ミリリットルの酸乳(ラクトトリペプチド3・4ミリグラムを含む)を、Bグループには疑似酸乳を同量
試飲させたところ、Aグループにのみ、明らかな血圧降下が認められた。
しかも、緩やかに下がった血圧は、一定値までくると安定する。これは血液中のアンジオテンシンUが減少し、通
常の血圧の人と同じ状態になったことを意味する。
ただし、あくまでもラクトトリペプチドの働きでACEの作用を抑えているわけだから、酸乳摂取をやめれば、再び元の状態に戻ってしまう。つまり続けて飲み続けることが肝心なのである。
ずっと飲み続けるとなると、当然気になるのが、その安全性だ。先の実験では、酸乳を入れたAグループに副作用や血圧以外の血液成分の変化は見られなかった。
また健常者60人を対象に、酸乳を大量摂取した場合の消化器への影響も調べたところ、一度に500ミリリットルの酸乳(ラクトトリペプチド21ミリグラムを含む)を摂取しても下痢などの症状は見られず、胃腸症状への影響もなし。
ラクトトリペプチドはACEのみに作用するため、もともとACEの発現が少ない健康な人が飲んでも問題は起こらない。酸乳が発酵する過程で生まれた天然成分なので、誰もが安心して摂取できるというわけだ。
カロリーオフだから安心
血圧上昇を押さえるために必要なラクトトリペプチドの量は、1日に3・4ミリグラム。これを1本に凝縮したのが、カルピスの「アミールS」だ。
「アミールS」のもとになっているのは、脱脂した牛乳を、カルピス独自の乳酸菌や酵母が含まれるカルピス・スターターで発酵して作った「カルピス酸乳」(図3)。研究の結果
、カルピス乳酸は抗腫瘍効果、免疫賦活効果、血圧降下作用、疲労回復・ストレス低減効果
、学習記憶効果などがあることがわかった。
「アミールS」は、1997年7月、世界初の高血圧者向けの乳酸飲料として発売された。これにさらなる改良を加えてできたのが、2000年1月から売り出している、現在の「アミールS」。従来のものに比べ、酸味を押さえたぶん、飲みやすくなっている。
また一番の改良点はカロリーで、従来の「アミールS」が39キロカロリーであったのに対し、現在は30キロカロリーにまで抑えてある。これは高血圧患者の多くが、糖尿病をはじめとする、ほかの成人病を患っていることへの配慮からきている。同様の理由で、砂糖も一切使用せず、それに代わる甘味料として糖アルコールなどを使っている。
高血圧は、乱れた食生活、飲酒、喫煙、運動不足など、生活習慣に起因する。しかし、そうも言っていられないのが現代人の悲しい宿命。もちろん、特定保健用食品だけに頼ることはできないが、臨床実験の結果
を見ても、試してみる価値があることは確か。降圧剤にも使用されているというラクトトリペプチドを、簡単に、しかもおいしく摂取できるのが「アミールS」の魅力といえよう。
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