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代替医療リポート






自立神経失調症


自立神経失調症とは?

 自立神経失調症と聞いてまず頭に思い浮かぶものは何だろうか。デリケート、心の病、不安定、ストレス、ホルモンのアンバランス…。身体だけでなく心も病んでいるというイメージで捉えている人も多いだろう。

 そもそも自立神経失調症とはどのような病気なのだろうか。同診療所医局長であり婦人科、アレルギー性疾患などの患者が多い山田享弘医師はこう説明する。

「自立神経とはその名の通り、意識していない身体の臓器を動かしている神経のことを指します。たとえば心臓を動かす神経です。また、暑いときには汗が流れたり、寒いときには鳥肌がたったりという体温を自動調節する働きもあります。

 自立神経には身体が動きやすいように働く交感神経と、内蔵や神経をリラックスさせる副交感神経の2つがありますが、この2つの神経がバランスよく働かなくなったときの状態を自立神経失調症と呼ぶのです」

 ところが、いま一般的にいわれている病名の自立神経失調症はちょっと違うという。

「大きな意味で自立神経失調症だと認識されているのは不定愁訴のこと。つまり不確かなものの症候群なんです。これらをひっくるめて自立神経失調症と呼んでしまっているケースが多いのです。

 本来の自立神経失調症の典型的な症状は、起立性低血圧(立ちくらみ)など、血管を閉じたり開いたりができなくなって起こる脳貧血などです。ほかにも多汗症、いびき、睡眠障害などは自立神経の障害によって起こることがあります。

 現在、広く皆さんに知られている自立神経失調症には本来の病気と、不定愁訴のことを指す病気の2つがあると思ってください」

 不定愁訴とは、ふらふらする、のぼせる、いらいらする、身体が冷える、などの症状のことだ。

 ひとつの症状だけ取ると病気とは診断されにくい状態だが、これらのいくつかが継続的に起こると自立神経失調症と診断されることもある。これらはとくに更年期に起こりやすく、40代〜50代の女性に多い。また、10代〜20代の若い女性にも多く見られる。

「日本人は病院に行ったら病名をつけてほしがる傾向があります。そこで、お医者さんによっては自立神経失調症ですよ、と患者さんにいう場合もあります。

 そうすると患者さんは納得するという側面 もあるので、それでこの病名がひとり歩きしてしまっているのかもしれませんね」

 つまり現在いわれている自立神経失調症という病気自体、非常に不確かな病なのだといえるだろう。


更年期障害との関係

 一般 にひとくくりされている自立神経失調症の自覚症状にはどのようなものがあるのだろうか。また、その見分け方はあるのだろうか。

「患者さんが自分で自立神経失調症かどうかを見分けるのは難しいですね。たとえば目が回るなどのめまいが起こる場合には、まず耳鼻科に行くこと。いらいらする、のぼせるなどの症状は心療内科でみてもらうことですね。

 内科で不定愁訴を訴えても、安定剤が出る程度で終わってしまうこともあると思いますが、同じ不定愁訴でも程度の重さによって診断が分かれてきますので、自立神経失調症かどうかの区別 は難しいといえます」

 不定愁訴がたくさん見られる更年期はちょうどホルモンのバランスが崩れてくる年代だ。また、生活面 でも子供が思春期に成長したり、両親が年老いてきたりして、精神的なストレスが大きくなってくる時期と重なる。

 更年期障害の症状には発汗、のぼせ、いらいらする、などの自覚症状が少なくない。自覚症状はたくさんあるが、多角的な所見はないというのが自立神経失調症の特徴だ。


漢方での治療方法

「漢方医療の場合は内科、外科という専門分野に分かれていません。どのような病気でも一人の医師が全部見ます。漢方の代表的な診療は腹診。おなかの状態を見て健康状態を見るのです。

 漢方の大きな特徴は現代医学的な病名がつかなくても診察し、薬を決めて治療することにあります。原因がはっきりしていなくてもかまわないのです」

 山田医師によると、漢方には気、血、水の3つの病理感、概念があるという。漢方では活力、生命力を「気」として総合的にとらえている。

 気には精神機能(気持ち、気分)、内蔵機能、空気、酸素などが含まれ、血には血液とバイタリティー、水には血液以外の体内の組織液やリンパ液などがあるのだ。この3つに異常が起こると表のような病気になる。

「たとえば、めまいは水の異常で起こるといわれ、漢方では水の代謝を整える利水剤を使用して治療します。めまいの場合は完治する場合も多いですが、症状によっては軽くなるだけでゼロにはならないこともあります。

 ただ、更年期の場合は投薬によってある程度生活が楽になることは確かです。現代医学のように病名をつけなくても、漢方では患者さんが訴える症状を取りのぞいてあげることを心がけています。

 もともと原因が不確かな病気ですから、身体が楽になること、患者さんの不安を取りのぞいてあげることがいちばんです」

 山田医師の言うように、自立神経失調症は更年期など、精神的、環境的な変化によって起こる不安感が関係している。自立神経失調症にならないために、身体を疲れさせすぎないこと、ストレスをためない生活を送ることが大切だといえるだろう。

 

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