蚕粉末(1)
漢方の国・韓国で科学的検証
蚕は絹のもととなるだけでなく、漢方薬の重要な素材として中国や韓国では古くから重用されてきた。古医書によると、蚕のさなぎは喘息に、さなぎの液汁は虫さされや腫れに、炒めて粉末にしたものは脳卒中やそれに伴う後遺症、そして神経症などに、糞枕は頭痛やリュウマチ、成虫である蛾の酒は精力減退やED(勃起)障害に、それぞれ用いられてきたのだ。
その韓国でも食生活の欧米化と先進国化により、いわゆる文明病の一種である糖尿病が増加してきた。もちろん西洋医学的なアプローチも試みられてはきたが、どうしても副作用の問題から解放されない。
そこで自然の物質の中で血糖降下作用のあるものを模索する動きが政府を中心に起こったのだ。
1992年には政府の機関の一つである農村振興庁とキョンフィ大学の共同研究が始まった。その結果、蚕粉末には血糖降下作用のあることが判明した。しかも副作用はないという。
韓国内ではすでに一流新聞の「東亜日報」をはじめとして「韓国日報」「京郷新聞」、KBSやMBCといったテレビ局が大きく報道している。
糖分解酵素の働きを抑え、食後の血糖値上昇を抑制
蚕粉末はどうして血糖値を下げるのだろうか。その解説をする前に、まず、どうして血糖値が上がるのかを説明しよう。
人は食べ物を食べるが、特にご飯やうどん、砂糖などの中にはでんぷんや乳糖、しょ糖、麦芽糖などの炭水化物が含まれている。炭水化物は口の中と小腸で分解され、単糖類の形で血液内に吸収されてしまう。
食後に血糖値が上がるというのはこのためなのだ。これは何も糖尿病患者だけの現象ではなく、健康な人の誰にでも起こる。しかし糖尿病を患っている人は急速に血糖値が上がってしまうのだ。
小腸に送られてきた食物を単糖類に分解するのがアルファグルコシダーゼという酵素だが、蚕粉末はこの酵素の活性を抑制することがわかった。よって、糖は徐々に分解され、血糖値が急速に上昇するのを防ぐ。
また、蚕粉末にはインシュリンの働きを活性化する作用もある。
ではなぜ蚕粉末には糖を分解する酵素の活性を抑制するのか。実は糖を分解する酵素の活性を抑制するものとしてデオキシノジリマイシンという物質がある。
このデオキシノジリマイシンは桑の葉に多く含まれており、蚕は桑の葉のみを食べることから、蚕粉末が糖分解酵素の働きを抑えるものと考えられるのだ。
加えて、蚕粉末には血液中のコレステロールを除去するといわれているグリシンやチロシン、セリンなどが含まれているので、血液をきれいにして血流を促す効果もある。
糖尿病が怖いのは、様々な合併症を引き起こすからだ。これらはすべて血管の障害から起因する。血流を促すということはこれらの合併症を未然に防ぐということになるのだ。
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