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代替医療リポート






頭痛

隠れた国民病「慢性頭痛」

 頭痛には大きく分けて二つの種類がある。その一つは「症候性頭痛」といい、これは脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎などの病気が原因となって起こるものを指す。この頭痛は、時として命に関ることもあるので、できるだけ早い治療を受ける必要がある。

 もう一つが「機能性頭痛」で、特定の病気を原因としない。一般的には慢性頭痛と呼ばれている。この機能性頭痛の中には「片頭痛」「群発頭痛」「緊張型頭痛」などがあり、痛み方の特徴や現れる症状によって、次のようなタイプに分けることが可能だ。


片頭痛

・ズキンスキン、ガンガンと脈打つように痛む
・発作的に月2〜3回程度起こる
・若年から中年の女性に多い
・吐き気や嘔吐を伴うこともある


群発頭痛
・突き刺すような、えぐられるような激しい痛みに襲われる
・一年間に1回-2回程度発症する
・圧倒的に虫高年の男性に多い

緊張型頭痛
・頭を締めつけられるような痛みがダラダラと持続する
・後頭部から首筋、頭全体にかけて痛む
・肩や首すじのこりを伴っていることが多い

 実際には上記タイプの混合型が圧倒的多数ではあるが、「自分の頭痛はこのタイプ」と思い当たる人も多いのではないだろうか。だが頭痛のタイプがわかったからといって、問題が解決するわけではもちろんない。

 重要なのは「どうしたら頭痛が治るのか」ということにあるだろう。実際、神経内科や脳神経外科で精密検査を受け、「異常なし」と診断された「頭痛持ち」の人は、発作が起こるたびに大量の鎮痛剤を飲み続けていることが多い。果たして、頭痛から解放される有効な治療法は存在するのだろうか?


頭痛は「体のひずみ」から

 タニクリニックでは「西洋医学と東洋医学の合作」という埋念のもとに、最新技術を生かした西洋医学に中医学を代表とする東洋医学(漢方、鍼灸、気功など)を併せた総合的な治療を30年にわたって行なっている。

 また、谷美智士医師は日本で初めてハリ麻酔手術を成功させたことで知られる医学博士である。

「西洋医学では局所だけを診ますから、原因が見つからない頭痛の治療は鎮痛剤による痛み止めがメインになってしまう。

 しかし慢性頭痛の場合、いくら痛み止めや血管拡張剤を使ったところで根本的な治療にはなりません。逆に鎮痛剤を繰り返し飲み続けることによる悪性貧血などの副作用が心配なので、乱用は避けたいものです」

 慢性頭痛とは、多くの場合、身体の機能に何らかのトラブルがあって、その結果として頭痛が出ているのだと谷医師は主張する。

 つまり頭痛は、身体の機能の「ひずみや偏り」があるために発せられるサインであり、頭痛を起こしている「元」をみない限り治せないというわけだ。

「西洋医学は病気を治し、東洋医学は病人を治す」という言葉をよく耳にする。これは東洋医学では病気をひとつの局面でとらえるのではなく、身体全体(五臓六脇)のどこが病んでいるのかを総合的に診断し、身体のひずみを整えていくという意味だ。体のひずみが是正されれば、その結果頭痛も自然に治っていく。


中医学による治療

 まず中医学による診療は「問診、切診、望診、聞診」から始まる。「問診」とは患者の話しを聞くこと、「切診」は脈をみたりお腹を触って診察すること、「望診」は患者の外観や舌をみることで、「聞診」は口臭や体臭を嗅ぐことで診察する方法である。

 例えば、脈をみることひとつとってみても、指先から20種類以上の脈を感じ取るなど、医師はその感覚を研ぎ澄まして患者の身体全体から病態を把握する。また、五感を観察をすることで、その人の身体や生理現象をきめ細かく診断し、病巣がどこにあるのかも見きわめていく。

 身体のバランスが失われている状態を、中医学では「証(しょう)」という診方で把握する。「証」とは西洋医学でいう病名や症状と似て非なるものといっていいだろう。

 身体に何らかの異常がある場合は、痛み、熱、腫れなどの様々な自覚症状や外見上の変化が生じるが、ある「経絡(けいらく)」に一連の「症候群」となって現れてくることを「証」と呼んでいるのだ。

 同じ病気でも人によって、また病気の進行状況によって証は異なるため、診察では一人ひとりの証を見きわめ、その人に合った鍼灸や生薬による治療を行わなければならない。

 また中医学では、心理状態や性格と病気は切ってもきれない関係にある。性格は必然的に体質やそれに基づく病気に関連づけられ、病気の診断においても肉体と精神の両面からとらえている。(表参照)


「中西医結合」で頭痛を治す

「慢性頭痛で来られる方で一番多いのが、肩凝りなどを伴った頭痛で、西洋医学では緊張性頭痛と呼ばれるものです。

 肩凝りから首筋のはり、後頭部の頭痛に発展するのですが、ひどい時には目の奥が痛んだり吐き気がすることもあります。

 このような頭痛は、膀胱経(肩から首すじ、後頭部、目の奥につながっている)という経絡の失調によることが多く、膀胱経の経絡にそってハリ治療を繰り返すことが効果的です。

 また頭痛がひどく鎮痛剤を多用する人は、漢方薬と併用することにより鎮痛剤の頻度や量を少なくすることができます。漢方薬は頭痛が起こりそうな時に早めに飲むようにするといいですが、平行して頭痛の元となる失調も漢方薬で治していくうちに、

 免疫力もつき体調もすっかり良くなります。その結果、自然と頭痛もなくなるわけです」

 このように中医学は、慢性頭痛をはじめ西洋医学では原因の解らない慢性の病気や難病に対して大いに力を発揮する。

 しかし一方で、体の異常箇所を見つけたり手術が必要な病気の場合は西洋医学の方が優れているのも事実であろう。

 中医学と西洋医学の良いところを用い、またそれぞれの欠点を補うことで、より広範囲の診断と治療を行う「中西医結合」。

 谷医師はこの「中西医結合」の理念を提唱して30年に及び、鍼灸や漢方などの中医学とハイテク機器による検査を駆使した西洋医学との総合診療を実践し、大きな実績をあげている。

 慢性頭痛に限らず、西洋医学で原因不明と診断された慢性の疾患に悩む人たちにとっては、またとない朗報である。

 

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